国家安全法という名前がもう誰の為の安全なんだよってかんじ

　昨日から香港で国家安全法が施行され、今日は初の逮捕者が出たそうだ。罪状は「香港独立、と書いた旗を所持していた」。マジかよ。法施行のスピード感から、罪状のみせしめ感、マジでそんなことが起こってるなんて信じ難い。中国政府は、一般市民には影響の無い法案だと説明していたそうだ(もちろん誰もが嘘だとわかっていた)。日本政府も共謀罪の成立のときそんなことを言っていたな。しかし、旗を持っていたから逮捕、マジか、マジか……。

　誰が一般市民かは権力が決めることだ。権力に立て付くものは一般市民ではないのだ。権力に大人しく殺されないものは一般市民ではないのだ。言葉の使われ方や定義を骨抜きにするのは、日本の現政権にも顕著である。現政権が目指すものは、まさに「安倍やめろ」と書かれた旗を所持するものを逮捕することかもしれない。香港、香港よ…何万人ものデモで、市民の力を我々に見せてくれた、それなのに、恐れていたことが起こってしまった…香港……

　私個人としては、今日は休日であった。雨が降ったりやんだり、湿度に殺されそうな気候である。殺される、なんて比喩で気軽に使えない心持ちであるが…香港よ…。とにかく、休みで、わたしは休みの日はなかなか早起きなので、昼には映画館にいた。ジブリを観ようと思ってのこと。金曜ロードショーは見ないくせに(テレビ無いし)、映画館でやっているとなると観たくなる。映画館が好きなのだ。映画館でみるという体験が好きだ。時間がちょうど良かったので「もののけ姫」を鑑賞。体力が続けば3タテ(もののけ、ナウシカ、千と千尋)しようとしていたのだが、もののけ姫の「体験」が素晴らしく、特に音楽の良さにいてもたってもいられなくなったので、観賞後即カラオケに行って一人で3時間歌った。気持ちよかった。私は昔ミュージカルの舞台に立っていたことがあって、声がめちゃくちゃ良いのである。めちゃくちゃ良いので謙遜はしない。でも、日常生活でこのでかい良いでかい声を思う存分発揮することはできずいつも燻っているのだ。米良さんめっちゃ良い声。米良さんの声になりたい。3時間カラオケしたら疲れたので帰る。

　カラオケはすごく空いていた。当たり前か。この感染症で、音楽に関するあらゆるものが打撃を受けている(それ以外のあらゆるものも打撃を受けている)。「声」は感染の媒介になる。色んな合唱団や劇団は練習もできないだろう。一度停滞したものが再び動き出すのは想像の何倍もエネルギーのいることだ。

　4月?にビッグイシューの緊急3ヶ月販売に申し込んだら昨日第二次も行うとのことで、私も定期購読することにした。月1000円くらいのもので、めちゃめちゃ安い。それでも、その売り上げで4月から毎月五万円を販売者に配当できているらしく、優秀だ。できるだけ追い詰められている方向へ金が回っていくといい。ビッグイシューは雑誌のクオリティも高く、普通に面白かった。トイレに置いている。

　今、緊急事態宣言後初めてご近所のおしゃれカフェに来てみたのだが、平日夜にも関わらず席は半分ほど埋まっている。良かった。カレー美味い。辛いの苦手なのにいつもカレーを頼んで辛さにひいひいしてしまう。でも美味しかったのでまた頼むと思う。

　世の中が、これ以上悪くならないと良い。近所のカフェも、その辺の劇団も、困窮者の生活や生命や尊厳も、理不尽のうちに失われることがなくなってほしい。それには私が雑誌を定期購読するとか、たまに訪れてひいひい言いながらカレーを食べるとかでは何ともならないことなのだ。国はそれらを守るために作られたものだとわたしは信じている。旗を持つものを逮捕する為ではなく。

今日は1569字である。このへんにしておく。いつも日記は三日坊主なのだが、明日も書けたら三日目だ。おやすみ。